「製本と折り」についてお話しします。
製本の種類
製本とは、「面付け」の記事でご紹介した「折り丁」などを接着剤・針金・糸・リングで綴じ、表紙をつけて本の形にすることです。
主な製本の種類をご紹介します。
上製本
一般にハードカバーと呼ばれるもので、厚めの表紙でくるむ製本方法です。本の中身をしっかりと糸で綴じる「糸かがり」という方法もあります。
上質な雰囲気を醸しだし、長期の保存に耐えられるということが大きな特長です。
<用途>小説、辞典、記念誌、写真集、絵本など
上製本の各部名称がありますので、ご参考にしてください。
●束(つか)・・・本または中身の厚み
●天・・・本の上側
●地・・・本の下側
●小口・・・背の反対側
●ミゾ・・・背と表紙の間にあるミゾ
●ノド・・・本を開いた内側、綴じている側
●扉・・・書籍の題名や部・章を明示するページ
●見返し・・・本の中身と表紙を接合するために使う紙
●花布(はなぎれ)・・・本来は棚から本を取り出す時、本を傷めないために付けられていたもの。今は飾りとして使用されています。
並製本
上製本に比べて工程が簡略化されるため、コストを抑えることができます。一般書をはじめとして、商業印刷物ではカタログやDMなど、広く使われている方法です。
また、本が開きやすくなる「PUR製本」や、本冊から別冊を取り外せるようにする「ブックインブック製本」など、用途に合わせて様々な製本方法があります。
中綴じ
ページを開いた状態で、背になる部分を針金で綴じる方法です。本のノドいっぱいまで開くことができます。
<用途>週刊誌、パンフレット、カタログなど
平綴じ
針金で背から5mm程内側を綴じる方法です。丈夫ですが、本のノドいっぱいまで開くことはできません。
<用途>教科書、小冊子、報告書、文集など
折りの種類
次にさまざまな折のご紹介をします。
三つ折り
「巻き三つ折り」
「外三つ折り」
四つ折り
「巻き四つ折り」
「外四つ折り」
「観音折り」
蛇腹折り(4山5面)
ページ折り(8ページ)
◎ここで一つ豆知識
「パンフレット」 と 「リーフレット」
この2つの違いは何でしょうか?
「パンフレット」は複数ページの印刷物を簡易的に綴じた小冊子のことを指します。
【製本の種類】でご紹介した中綴じ製本が主流となります。
それに対し、「リーフレット」は1枚の紙に刷られた印刷物のことを指します。
【折りの種類】でご紹介した巻三つ折り、外三つ折り、観音折りなどが主流となります。
どちらも用途は商品や施設の案内・宣伝広告などですが、形態が違うということがポイントです。
以上が、主な製本と折りのお話になります。
印刷物は、このようにさまざまな形態があり、使用する人にとって使い易いように考えられて作られています。
ぜひ、手に取る印刷物がどのように作られているか観察してみてください。
今回は、基本的な「製本と折り」についてのお話しでした。