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印刷の種類と仕組

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2017.10.6

「印刷の種類と仕組み」

印刷を分類する場合、印刷物の原稿となる版の形状で分類するのが一般的です。
平版印刷、凸版印刷、凹版印刷、孔版印刷の4種類に分けられます。
日常生活でもっとも多く目にする書籍や雑誌、新聞、カタログ、ポスターなどの多くは平版印刷で作成されています。
なお、凸版、凹版、孔版印刷はインキを直接紙などに転写して印刷するのに対し、平版印刷は版に塗布したインキをいったんゴムや樹脂(ブランケットと呼ばれる)などに転写してから紙に転写します。
そのため、紙と版が直接接触しない独特なインキの転写方法をとることから、オフセット印刷とも呼ばれます。

オフセット印刷

印刷速度が早く、大部数、多色物に経済性があります。
紙質を選ばず、修正も比較的容易ですが、仕上がりは凸版印刷に比べやや力強さに欠けます。

[主な印刷物] 新聞をはじめとする出版物、ポスター、チラシ等

版式の原理

オフセット印刷では水と油の反発を利用して印刷をおこなっています。
オフセット印刷で使用される刷版(印刷の原稿となる版)は、アルミ板で作られたサーマルCTPプレートを使います。
PS版の表面には感光剤が塗布してあり、レーザー光で感光させて現像をすると、画線部は親油性、画線以外の部分は親水性の異なる性質を持つようになります。
そして、印刷をするために版にインキを塗布するときは、インキを塗布する前に水(湿し水)を塗布します。
そうすると、親水性の性質を持つ画線以外の部分に水が残り、その状態に油性のインキを塗布すると、画線以外の部分は水によってインキがはじかれて塗布されるのを防ぎ、親油性を持つ画線部にのみインキが塗布されることになります。

版の厚さは数μなので、見た目には平らな板にしか見えません。なので、平版印刷と呼ばれます。

濃淡の表現と識別

印刷物の濃淡は網点の大小で表現され、インキの膜厚は網点の大きさに関係なく均一です。

*網点とは

この4色のツブは網点といい、シアン、イエロー、マゼンタ、ブラックの4色です。
カラー印刷物はこの4色の網点で表現されています。

凸版印刷

印刷する画線部が凸状になった版を使用する印刷です。
凸状になった部分にインキをつけ紙に直接押し当てるので版は逆像になります。
身近なところではハンコがこれと同じ原理です。
印刷した画線部の輪郭が鮮明で、仕上がりも力強くなる特長がありますが、インキを紙に転写する際に圧力をかけるため紙に凹みが発生することや、広い範囲へのインキ転写には向かないなどのデメリットがあります。

[主な印刷物] 週刊マンガ等

版式の原理

凸版は画像部(インキが付くところ)が凸状、非画像部(インクが付かないところ)が凹状になっていて、印刷時は凸部にインキが付着し、印刷される仕組みになっています。

印刷機の原理

圧力を加えて版から直接紙、その他の被印刷体にインキを転写し印刷します。

濃淡の表現と識別

印圧により、凸部に付いたインキは押し出されて、凸部の周囲のインキ被膜が厚くなります。
したがって、中心部はインキ被膜が薄いため、濃度は淡くなります。
この周辺の濃い部分をマージナルゾーンと呼び、これが凸版印刷で刷られた文字の輪郭が鮮明な理由です。

孔版印刷

メッシュ状の版に印刷したい画線部のみインキが通るように処理を施し、そこからインキを押し出して紙などに転写します。
昔は版にシルクを使ったことからシルクスクリーンとも呼ばれ、版の柔軟性を活かして曲面などにも印刷できるメリットがありますが、短時間での大量印刷や精度の高い画線の印刷には向きません。

[主な印刷物] 用紙・金属・フィルム・電子部品等

版式の原理

刷版材料として天然・化学繊維を含むスクリーン(紗)を使用し、インキを通過させるところと、通過させないところを作ります。

印刷機の原理

画像部が貫通した版を用い、版の下に紙などの被印刷体を置きます。
スクリーン枠の内側の一端にインキをのせ、スキージーを往復させて、インキをスクリーン(紗)の下に押し出し印刷します。

※スキージーとは、スクリーン印刷でインクを刷る際に使うヘラの名前です。
製版したスクリーンの描画部分(目止めされていない孔)からインクを押し出し用紙に定着させます。一定の角度を保ったまま上から圧をかけ、均一の力で引きます。

濃淡の表現と識別

インキの性質が他の版式と異なり、印刷物上でのインキの膜が厚く盛り上がったようになっています。

以上が、印刷を版の形状で分類した場合の4種類のお話でした。
それぞれの特徴・仕組を知っていただけましたでしょうか?

このような話から、身の回りの印刷物を今までとは違った角度で見てみると面白いです。

窓口担当が詳細をお答えいたしますので
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